相続した土地、使わないならどうする?
「親から土地を相続したけれど、遠方で使う予定もない」「固定資産税だけ払い続けるのはもったいない」——そんな悩みは、とても多く聞かれます。
使わない土地でも、選べる道はちゃんとあります。大きく分けると、活用する・売却する・手放すの3つ。この記事では、それぞれの特徴と、どの道に進むにしてもまず済ませておくべきことを、やさしく整理します。
この記事は一般的な情報をまとめたものです。土地の状況や個別の事情によって扱いが変わることがあります。判断に迷うときは、不動産会社・自治体・司法書士などの専門家にご確認ください。
使わない土地、選べる道は大きく3つ
まずは全体像から。どれが正解ということはなく、土地の場所・形・需要・あなたの希望によって向き不向きが変わります。
| 道 | どんな選択肢か | 向いていそうなケース |
|---|---|---|
| 活用する | 自分で収益を生む形にして持ち続ける | 一定の需要が見込める立地 |
| 売却する | 第三者に売って手放す(現金化) | 買い手が付きそうな土地 |
| 手放す | 一定の要件のもと国に引き取ってもらう等 | 売却も活用も難しい土地 |
「持ち続けながら活かす」「現金化する」「負担をなくす」——目的によって、選ぶ道は変わってきます。順番に見ていきましょう。
選択肢1:活用する
土地を手元に残したまま、収益を生む形にする道です。一般的には、次のような活用方法が知られています。
- 駐車場(月極・コインパーキングなど)
- 賃貸住宅・アパートなどの賃貸経営
- 資材置場・トランクルームなどとしての貸し出し
- 太陽光発電用地としての貸し出し
活用は「持ち続けながら収益を得たい」方に向いた選択肢です。ただし、立地や需要によって適した方法も収支も大きく変わります。初期費用がかかる方法もあれば、比較的小さく始められる方法もあります。
どの活用が合うかは、自分だけで判断するのは難しいもの。まずは複数の会社からプランと見積もりを取り、比較してから考えるのが基本です。
選択肢2:売却する
「持ち続ける予定がない」「現金にしたい」なら、売却がもっとも分かりやすい道です。
売却を考えるときも、いきなり1社に決めるのではなく、複数の不動産会社に査定を依頼して、価格や対応を比べることをおすすめします。会社によって得意なエリアや提示価格が違うことは、めずらしくありません。
- まずは複数社で査定を受け、相場感をつかむ
- 価格だけでなく、売却の進め方や担当者の説明の分かりやすさも見る
- 隣地の方が買い手になることもあるため、周辺の事情も合わせて確認する
なお、相続した土地を売却した場合、譲渡所得などの税金が関わることがあります。税の取り扱いは条件によって変わるため、気になる場合は税務署や税理士に確認すると安心です。
選択肢3:手放す(相続土地国庫帰属制度)
「売れそうにない」「活用も難しい」「でも持ち続けると管理や税の負担が続く」——そうした土地のために、近年新しい制度ができました。
相続土地国庫帰属制度は、相続などで取得した土地を、一定の要件を満たし、定められた負担金を納めることで、国に引き取ってもらえるしくみです。2023年(令和5年)4月にスタートしました。
ただし、注意したい点もあります。
- どんな土地でも引き取ってもらえるわけではなく、要件があります(建物が建っている土地など、対象外とされるケースがあります)
- 申請には審査があり、引き取りが認められた場合は負担金の納付が必要です
- 手続きの細かな条件は個別に異なるため、事前に法務局へ確認することが大切です
この制度はあくまで選択肢の一つです。売却や活用ができそうな土地であれば、まずはそちらを検討するほうが望ましい場合もあります。自分の土地が対象になるかどうかは、早めに法務局や専門家へ相談してみてください。
どの道でも、まず必要なのは「相続登記」
ここがいちばん大切なポイントです。活用・売却・手放す、どの道を選ぶにしても、その前提として相続登記(名義変更)が必要になります。
なぜなら、土地の名義が亡くなった方のままだと——
- 売ることができない(売買契約や引き渡しに進めない)
- 活用のために貸し出す・契約することも進めにくい
- 国に引き取ってもらう手続きでも、相続したことが前提になる
つまり、名義が故人のままでは、どの選択肢もスタートラインに立てないのです。さらに2024年4月からは相続登記が義務化されており、いずれにしても避けて通れない手続きになっています。
「土地をどうするか」を考え始めたら、まずは相続登記を済ませておく。これが、すべての道に共通する第一歩です。
相続登記は、条件がそろえば自分でできる手続きです。あてはまる事情がなければ、質問に答えるだけで申請書の下書きまで作れます。
まずは 30秒の対応診断 で、自分で進められるケースかどうかを確かめてみてください。
まとめ
- 使わない土地の道は大きく3つ。活用する・売却する・手放す
- 活用は持ち続けて収益を生む道。立地次第なので複数社の見積もり比較が基本
- 売却は現金化できる分かりやすい道。複数社で査定して比べるのが安心
- 手放すには相続土地国庫帰属制度(2023年4月開始)があるが、要件・審査・負担金があり、対象かは要確認
- どの道でも、まず相続登記が必要。名義が故人のままでは何も進められない
「この土地、どうしよう」と思ったら、まずは足元から。対応診断 で、相続登記を自分で進められるかを確かめるところから始めてみてください。
出典:法務省「相続土地国庫帰属制度について」/法務局の案内ページ/法務省「不動産登記法の改正(相続登記の申請義務化)」。本記事は一般情報であり、個別の法的・税務上の助言ではありません。具体的な手続き・税金については、法務局・税務署・司法書士・税理士等の専門家にご確認ください。




