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進め方・必要書類
机の上に広げた戸籍書類と申請書、傍らに家の模型。相続登記を自分で進めるイメージ

相続登記を自分でやる全手順

「親の家や土地を相続したけれど、名義変更(相続登記)を司法書士に頼むと数万円〜十数万円かかると聞いた」——そんなとき、条件がそろえば相続登記は自分でできます

この記事では、はじめての方でも迷わないように、書類集めから法務局への申請までを5つのステップに分けてやさしく整理します。費用や期間の目安、つまずきやすい点、自分では難しいケースまで、全体像をひととおりつかめる「地図」として使ってください。

この記事は一般的な情報をまとめたものです。個別の事情によって扱いが変わることがあります。判断に迷うときは法務局や司法書士にご確認ください。


まず確認:自分でできるのはどんなとき?

相続登記は専門的な手続きに見えますが、シンプルなケースなら自分で十分進められます。目安は次のとおりです。

  • 遺言書がない(あれば原則その内容に従うため、別の手続きになる)
  • 相続人どうしの話し合い(遺産分割協議)で、誰がどの不動産を相続するかを決められる
  • 相続人どうしでもめていない/全員が協力できる

逆に、これらにあてはまらないときは難しくなります(くわしくは最後の「専門家に頼むべきケース」へ)。

まず、自分のケースが当てはまるかどうかは 30秒の対応診断 で確認できます。あてはまる事情がなければ、質問に答えるだけで申請書や遺産分割協議書の下書きまで作れます。


全体の流れ:5つのステップ

自分でやる相続登記は、おおまかに次の順番で進みます。

ステップ やること
戸籍などの必要書類を集める
相続人を確定する
遺産分割協議をして協議書を作る
登記申請書を作る
法務局へ提出する

ひとつずつ見ていきましょう。


ステップ①:必要書類(戸籍など)を集める

最初の山場が書類集めです。主に必要になるのは次のようなものです。

  • 亡くなった方(被相続人)の出生から死亡までの戸籍(除籍・改製原戸籍を含む)
  • 被相続人の住民票の除票(または戸籍の附票)
  • 相続人全員の戸籍
  • 不動産を相続する人の住民票
  • 不動産の固定資産評価証明書(登録免許税の計算に使う)
  • 不動産の登記事項証明書(現在の名義の確認用)

戸籍は本籍地のある市区町村役場で取得します。転籍(本籍を移すこと)をしていると、複数の役場をたどる必要がある点に注意してください。なお、必要書類は不動産や相続のかたちによって変わります。


ステップ②:相続人を確定する

集めた戸籍を最初から最後までたどると、法律上の相続人が誰なのかが確定します。ここはとても大切なところです。

  • 配偶者は常に相続人になる
  • そのうえで、子・親・兄弟姉妹のいずれかが順位に従って相続人になる

ときには、戸籍を調べて初めて分かる相続人(前の配偶者との子など)が見つかることもあります。相続人を一人でも漏らすと、あとで作る遺産分割協議書が無効になりかねません。戸籍で客観的に確認するのが鉄則です。


ステップ③:遺産分割協議と協議書づくり

相続人が確定したら、「誰がどの不動産を相続するか」を相続人全員で話し合って決めます。これが遺産分割協議です。

話し合いがまとまったら、その内容を 遺産分割協議書 という書面にします。ポイントは次のとおりです。

  • 相続人全員が署名し、実印を押す
  • 全員分の印鑑証明書を添える
  • どの不動産を誰が取得するかを、登記事項証明書どおりに正確に書く

一人でも欠けると協議は成立しません。遠方の相続人がいる場合は、郵送でやり取りして全員の署名・押印をそろえます。


ステップ④:登記申請書を作る

次に、法務局へ提出する 登記申請書 を作ります。手書きでもパソコンでも構いません。申請書には主に次のような内容を書きます。

  • 登記の目的(相続による所有権移転)
  • 不動産を取得する人(新しい名義人)
  • 対象の不動産(登記事項証明書のとおりに正確に記載)
  • 登録免許税の額

登録免許税は、相続による所有権移転の場合、不動産の固定資産評価額に税率を掛けて計算します(評価額の0.4%が一般的な原則です)。一定の要件を満たす土地については免税の特例が設けられている時期もあるため、最新の取り扱いは法務局や国税庁の案内で確認してください。


ステップ⑤:法務局へ提出する

最後に、不動産の所在地を管轄する法務局へ書類一式を提出します。提出方法は主に3つです。

  • 窓口に持参する
  • 郵送する
  • オンライン申請する

提出後、内容に不備がなければ登記が完了し、新しい名義の登記が反映されます。書き間違いや書類の不足があると補正(やり直し)を求められることがあるので、提出前にもう一度見直すと安心です。不安なときは、管轄の法務局で事前に相談できる窓口を利用するのもよい方法です。


費用と期間の目安

自分でやる場合、司法書士への報酬はかかりません。主な費用は次のとおりです。

  • 登録免許税(評価額に応じて計算)
  • 戸籍・住民票・評価証明書などの取得費(1通あたり数百円程度が中心)

期間は、書類集めにどれだけ時間がかかるかでほぼ決まります。戸籍が一つの役場で済めば数週間、複数の役場をたどる場合は1〜2か月ほどみておくと安心です。法務局での審査自体は、申請後しばらくで完了するのが一般的です。


つまずきやすいポイント

自分でやる方が「つまずいた」と感じやすいのは、次のような場面です。

  • 戸籍が次々つながって、どこまで集めればいいか分からなくなる
  • 相続人の一人と連絡が取りづらく、協議書の署名・押印がそろわない
  • 申請書の不動産の表示を登記事項証明書どおりに書けていない

いずれも「正確さ」が問われる部分です。あせらず、書類を一つずつ照らし合わせながら進めるのがコツです。


自分では難しい・専門家に頼むべきケース

次のようなケースは、自分での手続きが難しくなります。無理をせず司法書士など専門家に相談するのが安心です。

  • 遺言書がある
  • 相続が連続して起きている(数次相続)/相続人がとても多い
  • 相続放棄をする人がいる
  • 相続人どうしでもめている
  • 認知症などで判断が難しい相続人がいる

これらにあてはまる場合、手続きが一気に複雑になります。早めに専門家へ相談したほうが、結果的に時間も負担も少なく済むことが多いです。


まとめ

  • 相続登記は、遺言がなく・協議で決められるシンプルなケースなら自分でできる
  • 流れは①書類集め →②相続人の確定 →③遺産分割協議書 →④申請書 →⑤法務局へ提出の5ステップ
  • 費用の中心は登録免許税と書類の取得費。司法書士報酬を節約できる
  • 期間は戸籍集めの時間しだい。あせらず正確に進めるのが大切
  • 遺言・数次相続・もめている・判断が難しい相続人がいる場合は専門家へ

「自分でできそうかな」と思ったら、まずは負担の少ないところから。対応診断 で、自分で進められるかを確かめてみてください。あてはまれば、質問に答えるだけで申請書や遺産分割協議書の下書きまで作れます。


出典:法務省「不動産登記法の改正(相続登記の申請義務化)」/法務局・国税庁の案内ページ。※本記事は一般情報であり、個別の法的助言ではありません。手続きの詳細や最新の取り扱いは、管轄の法務局・専門家にご確認ください。

(司法書士監修:※監修者確定後に氏名・登録番号を記載)

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